田原市立田原中学校
 
数楽の部屋
2020/05/21

運も実力のうち

| by 主担
 今日は物事の起こりやすさについて話します。3年生は少し前に動画で学習しましたね。
 まず、起こりやすさという言葉は数学的には少しあいまいな表現です。「結構起こる」とか「まぁまぁ起こる」と言われても違いがわかりません。そこで、数学では、起こりやすさを表す数を確率と呼び、値として表現することにしています。「5回中4回の割合で起こる」とか「5回中3回の割合で起こる」と言われれば、違いがはっきりわかりますね。
 確率の求め方はシンプルで、「ある行為を行うときに特定の事柄が起こるパターンの数」を「ある行為を行うときに起こる事柄のパターンの総数」で割ったものです。具体的に、さいころを1回振るとき、3の倍数の目が出る確率について考えてみましょう。今回は、「ある行為」は「さいころを1回振る」ことを、「特定の事柄」は「3の倍数の目が出る」ことを指しています。「さいころを1回振るときに3の倍数の目が出るパターンの数」は3の目か6の目が出る2通りあります。一方、「さいころを1回振るときに起こる事柄のパターンの総数」は1から6の目が出る6通りあります。したがって、さいころを1回振るとき、3の倍数の目が出る確率は、{\normalsize\frac{2}{6}} つまり {\normalsize\frac{1}{3}} となります。 {\normalsize\frac{1}{3}} は、3回中1回の割合で起こることを表しています。
 確率の基本を学んだ上で、次の問題に挑戦してみましょう。

Q 3つのドアがあります。どれか1つがあたりで、ドアを開けると景品があります。残りの2つははずれで、ドアを開けても何もありまんせん。あなたは、開けるドアを1つ選びました。するとここで、あたりのドアを知っている司会者が、あなたが選ばなかった2つのドアのうち、はずれのドアを1つ選んで開けました。ここであなたはもう一度「最初に選んだドア」を開けるか、「残っているもう一方のドア」を開けるか、好きな方を選べます。自分の運を信じるて変えないか、それとも変えるか、どちらがよいのでしょうか?


答えを知りたい人は「モンティ・ホール問題」で調べてみましょう。
16:00
2020/05/20

おいら、一筆書きが得意なんだ

| by 主担
 今日は、みなさんもきっと一度くらいはやったことがあるだろう一筆書きについて話します。初めて聞く人のために説明しておくと、一筆書きとは、筆記具のペン先を紙から離さずに、一度書いた線の上を通らないようにして線で図形をかくことです。練習問題にチャレンジしてみましょう。下の図形は一筆書きができますか?
 
 左上はできる、右上はできる、左下はできない、右下はできないが正解です。今日は、一筆書きができるかできないかを判断する方法について考えてみましょう。改めて問題とヒントを書いておきます。

Q 与えられた図形が一筆書きできるかできないかを判断する方法を説明してください。

ヒント①:直線が交わってできるすべての点について、その点から出ている線の数を数えてみましょう。
ヒント②:自分で新しい図形を用意して、サンプルを増やしましょう。
ヒント③:点から出ている線が偶数か奇数かに注目してみましょう。
ヒント④:点から出ている線が偶数のときと奇数のときで、その点に対する線の出入りに注目してみましょう。


答えを知りたい人はこちらから → おいら、一筆書きが得意なんだ 解答・解説.pdf
18:30
2020/05/19

平均の話あれこれ

| by 主担
 「やったー!平均点こえた!」生徒Aは、返却されたテストを見て大喜び。しかし、後日配られたテスト個票で順位を見て落ち込んでしまいました。
 みなさんはこんな経験ありませんか?いや、聞き方をかえます。平均点あれば順位も真ん中だろうと思っていませんか?
 生徒Aは平均点を超えているのに、10人中、下から2番目の順位だったんです。具体的には80点が2人、75点が6人、70点が1人(生徒A)、10点が1人で平均69点。順位がよければいいというわけではありませんが、こんなこともあるんですね。
 平均という考えは、たくさんある数値(データ)全体の傾向をつかめるので、様々な場面で使われています。毎年「すこやか」には平均身長、平均体重を記入しますし、他にも平均〇〇という言葉を聞いたことがあると思います。しかし、平均という数値がどのように算出され、どのような意味合いがあるのかをきちんと理解していないと、間違った認識や印象をもち、最悪の場合だまされてしまうことがあるかもしれません。知識と経験は、誰にも奪うことのできないあなたの武器になりますよ。

 それでは、今日の問題です。

Q A君は片道2kmの道のりを行きは時速7kmで、帰りは時速3kmで往復しました。A君が往復する平均速度は?

ヒント:落ち着いて、「速度=道のり÷時間」で考えましょう。


Q 円周上に1から10までの自然数がランダムに並んでいます。このとき、円周上で隣り合う3つの数で、その合計が17以上になるものが存在することを示してください。
 例  

 隣り合う3つの数の合計 1+3+9=13 3+9+7=19 9+7+10=26 ・・・ 

ヒント①:隣り合う3つの数の合計の平均を求めてみましょう。
ヒント②:隣り合う3つの数の合計には整数しかでてきません。
ヒント③:隣り合う3つの数の合計には異なる値があります。


答えを知りたい人はこちらから → 平均の話あれこれ解答・解説.pdf
16:00
2020/05/18

チップを弾むから、勇気をわけてくれねぇか

| by 主担
 皆さんはこのセリフを知っていますか?アニメ「ルパン三世」の次元大介のセリフです。こんな渋いセリフを、さらっと言えるなんてかっこよすぎです。詳しく知りたい人は第2シリーズ新ルパン三世の129話をチェック!

 さて、今日は次元の話です。と言っても、次元大介ではないですよ。よく、漫画やアニメのことを2次元と言うのを聞いたことはありませんか?あの次元です。次元とは、かみくだいて説明すると、「いくつの数で場所を特定できるか」を表す数です。
 例えば、長いロープを登っている人がいるとします。上から、「いまどこ?」と聞かれたのに対して「登り始めて〇メートルのところ」と言えばどこにいるかわかりますよね。これはロープを登るという行為が、1次元の動きだからです。紙の上に点をとるときには、ある点を基準として、右(左)に〇cm、上(下)に〇cmと2つの数を指定すれば場所を特定することができるので、これは2次元の話です。住んでいる場所を表す時には、〇県〇市〇町〇番地〇と言わなくても、緯度、経度、高さ(何階か)の3つの数で特定することができます。我々は3次元の世界で暮らしています。
 数学では、1次元は直線を表しますので、左右にしか動けません。(上下や前後でもいいですが、今は左右にしておきます。)2次元は平面を表しますので、左右の他に前後にも動けます。3次元は空間を表しますので、前後左右に加えて上下にも動けるようになります。じゃあ、0次元は何を表すでしょうか?正解は、点です。点をたくさん集めると線になります。その線をたくさん集めると面になります。シャーペンの芯をきれいに並べるとイメージしやすいかもしれません。次に、面をたくさん集めると立体になります。紙を何枚も重ねると直方体になりますよね。立体をたくさん集めると・・・立体のままですね。ということは3次元までしかないのでしょうか?
 高校や大学では、3次元での話がたくさん出てくるので楽しみにしていてくださいね!大学で物理(理科に含まれる分野)を学ぶ人は5次元の話が出てくるかもしれません。
 それでは、次元について学んだところで、今日の問題です。

Q 同じ長さの棒を3本使うと正三角形を1つつくることができ、5本だと2つつくることができます。では、6本使って正三角形を4つつくるにはどうしたらいいでしょうか?



答えを知りたい人はこちらから → 答え.JPG
19:55
2020/05/15

鳩の巣最強説

| by 主担
 皆さんは、鳩(ハト)と聞いて何を連想しますか?最近、私の周りでは見なくなりましたが、祖父や友達の家には鳩時計が置かれていました。毎時ちょうどになると窓から鳥が出てきて、時刻の数だけ鳴いて時間を知らせてくれる時計です。実は、あの鳥は鳩ではないと知っていますか?あの鳥は、郭公(カッコウ)なんです。鳩時計の起源はドイツにあるそうですが、そこでは現地の言葉で郭公時計と呼ばれています。日本にも郭公時計として伝わりました。しかし、日本では郭公を別名閑古鳥と呼んでおり、「閑古鳥が鳴く」という言葉があるために、縁起が悪いとなったわけです。そして、日本人になじみのある鳩が代わりに使われるようになったのです。ちなみに、ドイツの時計職人に「鳩時計」というと怒られるそうです。(信じるか信じないかは、あなた次第です。)
 そんな話はさておき、今日の本題にいきましょう。今日は、「鳩の巣原理」というものについて取り上げます。
 まずは、あるゲームについて話をしましょう。あなたには、さいころ1つを何回続けて投げるかを宣言してもらいます。そして、その回数以内で同じ目が2回出たらあなたの勝ち、同じ目が出なかったらあなたの負けとします。さぁ、あなたなら何回と宣言しますか?
   
 2回と答えたあなたはかなり強気ですね!10回と答えたあなたは心配性かもしれません。数学的に美しいとされる答えは7回です。さいころの目は全部で6通りあるので、6回目まですべて異なる目が出ても、7回目には必ずどれかの目がかぶることになります。もちろん10回と答えても勝てるのですが、「必ず勝てる最小の数」である7回が美しいのです。
 上のような考え方が、鳩の巣原理そのものです。「11羽の鳩を10個の巣に移すと、少なくとも1つの巣には2羽の鳩がいる」ということです。当たり前ですよね。それでは下の問題にチャレンジしてみましょう。

Q 30人クラスには、同じ誕生月の生徒が最低何人いるでしょう?

Q 1辺の長さが2の正三角形の中に5つの点を自由にかくとき、距離が1以下となる2点が必ず存在することを説明してください。
   
 ヒント①:正三角形を分割してみよう。.png
 ヒント②:いくつに分割してあるかな?
 ヒント③:分割したそれぞれの図形の中で最も離れている距離は?


答えを知りたい人はこちらから → 鳩の巣最強説解答・解説.pdf
20:00
2020/05/14

1対1

| by 主担
 新型コロナウイルス感染症の拡大により、全国中学校体育大会をはじめとする様々な大会やコンクールの中止が決定しています。これまで、頑張って取り組んできた姿を見ているからこそ、やるせない気持ちになってしまいます。しかし、命よりも大切なものはありません。この困難を乗り越えて、強く、優しい人に育ってくれることを期待しています。

 さて、今回はスポーツの大会に関連する「トーナメント」についての問題です。余談ですが、英語の「tournament」の意味は日本語の「大会」に近く、勝ち抜き戦を意味する言葉ではないそうです。勝ち抜き戦を表現するときは、ノックアウトシステムといいます。
 かつての日本では、サッカーの世界大会であるワールドカップの際、決勝トーナメントという言葉が頻繁に使われていました。(世界的には、大会全体のことをトーナメントといいます。)世界との表現の違いをなくすために、2015年以降は決勝トーナメントという言葉は使われなくなったそうです。
 余談はこれくらいにして、本題です。我々が一般的に使っているトーナメントは、敗者復活のない勝ち抜き戦で、試合ごとに必ず勝敗を決めることになっています。競技や目的によって、その形式は以下のように様々です。
 
 大会を運営する側になると、全部で何試合あるかがとても重要になります。なぜかって、その大会が予定している日程で終わるかが大事だからです。「たくさんのチームを集めたはいいけど、あるチームは1試合もできませんでした」では嫌ですよね。みんなも高校で生徒会をやればその重要性がわかるかもしれません。そこで今回の問題です。

Q 16チームで行うトーナメント(敗者復活戦のない勝ち抜き戦)は優勝を決めるまでに何試合あるでしょうか?シードの有無や形式は何でもOKです。なぜその試合数になるのかも考えてみよう。

ヒント①:1試合で何チームが敗退するでしょうか。
ヒント②:何チームが敗退したら優勝者が決まるでしょうか。


答えを知りたい人はこちらから → 1対1解答・解説.pdf
16:00
2020/05/13

白黒つけようじゃないか

| by 主担
前回の内容では、「見てわかること」の有用性について触れました。今回も、その続きです。

Q 下の図のように並べたおはじきを数える効率的な方法は?

  
ヒント①:足し算を工夫してみよう。
ヒント②:本日のタイトルは「白黒つけようじゃないか」ですよ。



Q 下のような8×8マスから対角の2マスを除いた62マスのタイルを、1×2マスのタイルですき間や重なりがないように敷き詰めようとしましたが、できませんでした。絶対に敷き詰めできないのでしょうか?
    
      62マスのタイル   1×2マスのタイル

ヒント①:まずはルールの確認。.png
ヒント②:もっと小さいタイルを1×2で敷き詰めてみよう。.png
ヒント③:白黒つけようじゃないか。.png


答えを知りたい人はこちらから
  → 白黒つけようじゃないか 解答・解説1.pdf
    白黒つけようじゃないか 解答・解説2.pdf
13:30
2020/05/12

どっちが長いの?

| by 主担
みんな大好き!コーラとファンタについての問題です。…言いすぎました。500ml缶に関する問題です。

Q 500ml缶の円周と高さは、どちらが長いでしょうか?
 (定規やメジャーで測ってはいけません、計算するのはOKです)
    

  ヒント①:500ml缶が4本あると、「見てわかる」状態がつくれます。
  ヒント②:4本の内、3本はこのように使います。IMG_1360.JPG

500ml缶を4本用意できる人は、いろいろな配置を試してみましょう。

答えを知りたい人はこちらから → どっちが長いの?解答・解説.pdf
14:00
2020/05/12

本日開設「数楽の部屋」

| by 主担
 本日から、数楽の部屋の更新を始めます。
 変化の激しいこの社会で求められるのは、「知識や技法を学び、その通りに問題を解くような単純な力」だけではなく、「これまでに身につけた知識や技法を組み合わせて使ったり、見方を変えたりする柔軟な思考力」です。それを養うためには、様々な問題に触れ、自分の手で試行錯誤を繰り返し、考え方に感動し、真理を理解していくことが必要だと思います。教科書とは一味違う、論理的思考の世界へLet's go!
 皆さんが楽しめるような、ついつい人に話したくなるような構成を心掛けます。毎平日の更新を予定していますが、更新できない日があってもあしからず。
14:00